コロナ禍も沈静しつつある今、皆さんの働き方は以前と変わりましたか。今日はそんな働き方の基本的な考え方に目を向け、日本と海外の働き方の違いを考えてみました。
ここ20年くらいで日本の働き方が大きく変わりました。マスコミが大きく取り上げた「フレックスタイム制」、「クールビズ」、「女性の社会進出」、「プレミアムフライデー」、「テレワーク」などの改革も、企業によってその採用(活用)度合いは様々。奇しくも今回のコロナ禍で普及した「テレワーク」も緊急事態宣言解除と共に廃止となる企業も少なくないようです。日本の働き方改革は一進一退といった状況です。
さて、そんな状況の中、海外の働き方(労働環境)はいったいどうなっているのでしょうか。

ドイツの場合

まずは、日本人と国民性が似ていると言われるドイツの場合を見てみましょう。結果的に言うと、この両国では働き方に関する考え方が全く異なります。一言で言えば、日本は「和」が重視され、ドイツは「個」が重視されます。組織の中で働く場合も、日本は上下関係や部門間・個人間の調整に重きを置く考え方が主流となっていますが、ドイツでは会社に頼ることなく個人のスキルで生きて行こうと考えます。以前から長時間労働が良しとされ会社に長い時間いることが評価された日本に比べ、ドイツでは労働時間よりもやった仕事の「質」で評価されることが多いようです。つまり、ドイツでは「何時間仕事をしたか」ではなく、「どんな仕事をしたか」が重要なのです。ちなみに、1917年に行われたOECD(経済協力開発機構)の調べでは、1日の労働時間は日本が7,1時間であるのに対し、ドイツは何と5,6時間となっています。ドイツでは、決まった時間内に自分のやるべき仕事をしっかりやっていれば、上司や周囲は何も干渉して来ません。むしろ、夜遅くまで会社に居続けている人は仕事ができない人とみなされます。ただ、この場合は結果が全て。確かな実績が必要となることは言うまでもありません。

アメリカの場合

次にアメリカの場合はどうでしょう。アメリカの働き方というと、「実力個人主義」、プライベートを重視する「短時間労働」などといったイメージがありますが、前述のOECD(経済協力開発機構)の調べでは、1日の平均労働時間が日本で7,1時間なのに対し、アメリカは7,5時間となっています。なんとアメリカの労働時間の方が長いという結果が出ているのです。では、アメリカの方が1日の仕事が辛いかと言えば、そこはそうでもないようです。アメリカの企業は「オフィス環境」の充実に力を入れているところが多く、社員にスナックやドリンクを常時無料提供することも珍しくありません。私が以前担当したアメリカの企業は、常時オフィスにバナナやオレンジなどのフルーツが置いてあり、誰でも仕事中に自由に食べられるようになっていました。また、コーヒーカウンターやバー、ビリヤード台などOFFの時間に気分転換できる施設が設けられている企業も多くあります。そして、週に何日か在宅ワークが認められている企業も多く、社員の働き方の自由度が高くなっています。このように、労働の苦痛を軽減する工夫を施し、社員のモチベーションを高め、引いては優秀な人材の流出を防ぐ施策が多く見られるのがアメリカの労働環境の特徴です。

今や、日本の企業でも多くの外国人が採用され現場で活躍する時代です。まさに経済活動がグローバル化される中、海外の労働状況を理解し把握しておくことは、企業の生産性向上にも大きな関わりを持ってきます。終身雇用制や年功序列が再評価されたり、「和」を持ってチームで仕事に取組める連帯感など、日本にも評価できる労働制度が多々ありますが、これからは海外の働き方の良いところをどんどん取り入れ、活用していくことが国際化のための大きな要因になります。しかも、こうした海外の労働環境をリサーチしてみることは、自らの働き方を根本から見直すいいチャンスかも知れません。政治、経済、文化と世界はボーダレス化を進めています。働き方も例外ではありません。一人一人の働き方が、その国のGDP(国民総生産)を大きく左右します。海外の働き方のいいところを大いに参考にしたいところです。