ここまでのデザイナーズ・アイでは、デザインという言葉を、グラフィックデザインやウェブデザインの「デザイン」に代表されるように、形や色を整えて見やすくしたり、使いやすくしたりといった「意匠」といった意味合いで使用してきました。ですが、実際の「デザイン」にはもっと広い意味があります。もともと英語のdesignには、意匠の意味以外に「設計」や「計画」といった意味まで含まれます。

日本ではデザイン=意匠といった認識がほとんどですが、最近では「社会デザイン」や「キャリアデザイン」などのように、デザインはより広い意味で使用されるようになってきています。


一つ例を挙げると、缶チューハイやコーヒーのアルミ缶の側面には、ひし形の凹凸模様が立体的に入っています。これはただ美しさのための模様として付いている訳ではありません。「ミウラ折り」という折りたたみ方をもとにしたひし形の模様は、アルミを薄くし、かつ強度を保つことができるために採用されています。これにより、
・アルミの使用量を減らして、資源の節約をしたい
・運送費を節約したい(1つ1つが軽くなることで運送の際のエネルギーも削減でき、運べる個数が増える)
ということが解決できます。
つまり、アルミの使用量を削減し、且つ強度を維持するという課題解決のためのデザインです。
さらに見た目の美しさに加え、ユニバーサルデザインの考え方にも基づき、滑りにくく持ちやすくなっています。

この「ミウラ折り」ですが、これは東京大学名誉教授の三浦公亮先生が発案した折りたたみ方ですが、大きい地図の折りたたみ方というと思い当たる方も多いかと思います。
ミウラ折りのサイトへ
これは、宇宙空間で太陽電池パネルを小さく折りたたんで持ち運べ、小さな力で一瞬で広げられるということで採用された折り方です。ここでも人類の問題の解決のためにデザインされたもの、といえます。


グッドデザイン賞を運営する団体の日本デザイン振興会では、デザインとは「常にヒトを中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化する。」ための一連のプロセスがデザインと定義しています。
日本デザイン振興会のサイトへ
つまり、人類の抱える問題事項を解決するために、企画し計画し実現する過程そのもの全てがデザインということになります。

問題提起から解決までの一連の流れがデザインということになりますが、デザインをする上では、常に解決すべき問題が何なのか、これを見る人、使う人はどんな問題を抱えていて、見ること使うことによりどんなメリットがあるのか、を念頭においてデザインしていきたいものです。