新型コロナウイルスの感染拡大が日本経済に及ぼした影響は計り知れません。とりわけ労働者の働き方はテレワークや時差出勤などの普及で激変しました。今日はコロナ後(共存も含む)の働き方がどうなるのか考察してみました。

労働者の働き方に関しては、テレワーク、在宅勤務などの普及でリモート化がさらに促進されることが予想されます。そうなると、人事評価の在り方も見直さざるを得なくなり、新しい管理システムが構築されていくことは必然となるでしょう。実はこの新しい人事管理システムが非常に重要なファクターとなると指摘する識者がいます。自宅で仕事をする社員は経営者からは目に見えません。すると、休んでいるのではないか、サボっているのではないか、と疑心暗鬼に陥る経営者が過度な管理(監視)体制を敷いてしまう傾向があるのです。本来、働きやすいはずのテレワークが過度の管理(監視)システムによって、かえって息苦しい働き方になってしまっては元も子もありません。そして、この人事評価システムは直接社員の給料や昇進・昇格に繋がるため、社員全員が納得できるシステムでなければなりません。つまり、出社して働く方が効率的な職種と、在宅勤務の方が効率的な職種と、両タイプの社員に公平なシステムでなければなりません。新しい人事評価システムが全社員にフィットするまでには少し時間がかかるかも知れません。一方で、リモートワークの“揺り戻し”が起こり、テレワークや在宅勤務の全面廃止を決める中小企業が増えると言う予想もあります。これは、コロナ禍での経済的損失を挽回するべく、一社全員出社体制でV字回復を図ろうとする経営者の思惑が強く働いていると思われます。これは時代に逆行するやり方だと指摘されるかも知れませんが、コロナ禍で経営危機に瀕している中小企業にとっては背に腹は代えられないというところでしょうか。この辺の事情に関しては政府の補助や保証が行き届いていないという現状が大きく影響しているように思えます。

とは言うものの、場所や時間に制限されない働き方へのニーズが高まっていることは確実で、全社員がテレワークで働くコンサルティング会社が中途採用で数名の募集をかけたところ、何と600人を超える応募があったそうです。ワークライフバランスを重要視する働き方の台頭に経営者がどう応えていくかが今後の大きな課題となっていくでしょう。これには、経営者の意識改革が不可欠となります。

さて、テレワークや在宅勤務がどんどん促進されると、オフィスの在り方も変わってきます。コロナ以前のオフィス移転は拡大移転(より広い場所へ移転)が主流だったのに対し、現在は縮小移転(より狭い場所へ移転)が増えているそうです。テレワークや在宅勤務が普及すれば、出社する社員の数も減らすことができるため、そもそも、そんなに大きな事務所は必要なくなります。全員がテレワークで働く体制にしてオフィスを完全に引き払った企業もあると聞きます。それに伴い、職場のレイアウトもフリーアドレス型の大きいデスクが取り入れられ、その日に出社した人が好きな場所に座って必要な時間だけ仕事をするようなスタイルが増えていくでしょう。

コロナ禍で大きな打撃を受けた世界の経済ですが、日本は今後どうなっていくのでしょう。コロナ前のようにゆっくりとインフレ方向に向かうのか、一転してバブル後のようにデフレに向かうのか、識者の意見は分かれているようですが、どちらにしても企業にとって大事なのは生産性を向上させること。そのためには、業務の可視化による業務プロセス改善が大前提です。コロナ禍で中断してしまった(かに見えた)働き方改革ですが、今一度、原点に帰って企業の課題や問題点を洗い出し、生産性向上についてじっくり考えてみることが大事だと思われます。