みらい「可視経営」でつくる
新たに三代目斎藤理事長を迎え、石橋理事とこれかの可視経営についての対談記事です。
石橋理事・斎藤理事長対談 真の働き方改革の答えは可視化にあります。石橋理事・斎藤理事長対談石橋理事・斎藤理事長対談
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企業が少し元気になってきましたが、グローバル競争に勝っていくにはまだまだ力が足りないと思います。企業がどこからこの力を引き出していくか、それはホワイトカラーの皆様からです。経済社会の低迷を脱出する方策を提示できずに、こらえ忍んできましたが、可視経営協会が提供するHIT法※は、正にホワイトカラーの仕事を効率良く行い、知的生産性向上を支援する業務の可視化技法と支援するチャート化法です。これによって難しいと思われてきた業務の効率化が確実に進んで納得感の得られる活動になります。 可視経営協会では、株式会社システム科学と両輪になって、協会では自立活動を支援する人づくり(自社で自社の指導ができる資格の取得)を、システム科学では、その革新の支援をお手伝いしながらより良い支援技術を磨き、資格取得者が自ら継続活動ができる実践訓練を受け持って推進して参ります。 この結果、高い成果が持続できる活動になる要素を斎藤理事長と対談によって見いだして参ります。
可視経営協会 理事 石橋博史
※HIT法:Human resource Intelligence Technology(知的人材生産性技法)

競争優位の基はホワイトカラーの元気から

1. 日本企業の現状をどのように見ていますか?
斎藤
斎藤理事長・石橋理事アベノミクスにより企業を取り巻く環境(為替・株価・資金調達等)は大きく変わってきていますが、外部環境の好転だけで競争力が向上するわけではありません。現に同じ業界においても企業間で業績に大きな差が見られます。
経営理念によって事業の方向性を決め、現場力によって問題解決を迅速に行い、ホワイトカラー(管理・間接部門)の業務改善によってその生産性を高めた企業が業績を上げているのです。日本では、年々その割合が増加してきていますが、ホワイトカラーの生産性の低い企業がまだまだ多く見られます。
   
石橋
同感です。振り返ってみますとホワイトカラーの活性化の必要性を痛感して、何とかならないか、という思いで技術とツールを開発してきました。平成22年の寒い2月特許事務所から電話が入り、特許の審査結果が知らされました。努力が報われた瞬間でした。これでホワイトカラーが元気になるとー。
「こうやれば良い」を知り、素直に取り組んで、利益のV字回復を果たした会社、モノづくり会社の情報部門が中心になって新しい事業活動として挑戦が始まった会社、ホワイトカラー本来の元気な姿を取り戻した数多くの会社が誕生しています。

2. 日本企業が元気を取り戻すための鍵は、ホワイトカラーの業務にありそうですね。
斎藤
日本が高度成長を謳歌しバブルに突入していった時代、モノづくりの現場では、日々業務改善努力が続けられた結果、世界でもトップクラスの生産性が達成できたのです。当時はモノづくりの現場で働く人の割合が、今と比較してはるかに高く、現場の生産性が企業ひいては日本の競争力を創っていたと考えられます。製造現場では日々の改善による効率向上、自動化、生産の海外移転などにより、人による仕事が徐々に減少しつつあり、今では産業構造の変化もあって大多数となったホワイトカラーの生産性が、日本の競争力の支配要因になりつつあると言っていいでしょう。
   
石橋

モノづくり現場ではトヨタ生産方式という柱が参考になって、どこのモノづくり現場でも必死になって、改善、改善と頑張った結果、知恵と工夫を引き出し、機械や設備、ラインの性能まで改良し世界共通語となっている「カイゼン」活動でその自信感はNo.1と誇れるでしょう。HIT法は世界の「カイゼン」に匹敵する技法・ツールになりました。HIT法を活用して実績を出している会社が続々と誕生しています。その結果、ホワイトカラーの元気が戻って、モノづくりを凌ぐ生産性を上げています。


3. モノづくり現場の業務改善に、ホワイトカラーの業務改善へのヒントがあるのでしょうか。
斎藤
モノづくりは研究開発であれ、製造であれ全体のプロセスが見えやすいものです。プロセスも成果物も誰でも見ることが出来るため、廻りの厳しい視線に晒され、自分でも改善点が判るから、常に良くしたいとの思いが生まれます。
つまり、可視化されているから改革マインドが醸成されやすいのです。ところがホワイトカラー(管理・間接部門)では、モノではなく情報を扱う部門なので全体の業務フローがなかなか見えにくく、改革のマインドも低い場合が多いのです。
   
石橋
業務の可視化に挑戦して30年、「業務プロセスの可視化法及びチャート作成法」の名称が示す通り、モノづくり改善に対して情報づくり改善の専門技法の誕生です。情報の可視化は、簡単なチャート化法で「情報が目で見てわかる」可視化を優先させ、ITを徹底して活用し、「人にもぐり込んでいた仕事」を業務の機能体系化によって定量管理(時間管理)ができ、難しいと思い込んでいた改善に気づく力がついて、提案活動が一気に進んでいます。見えにくい情報を誰もが「目で見てわかる」状態にできたことがモノづくりからのヒントです。

4. ホワイトカラーの業務改善もうまくいくでしょうか。
斎藤
管理・間接部門の仕事についても個々の業務プロセスをチャート化して可視化すれば、製造のプロセスと同じように扱うことができます。これにはHIT法が非常に有効なツールとなることを知り、石橋社長とともにお客様で「可視経営」のコンサルテーションを実施し、成果を上げています。
   
石橋
ホワイトカラーの仕事は「誰もが見えない」状態を克服できたことで一人ひとりの仕事の内容とその行動が机上のデスプレーによって、リアルに「いつ、どこで、何を、誰が、どのように」が目で見てわかるようになります。この内容が組織の三者(経営者、管理者、担当者)が共有できる共通言語(誰でもわかる絵文字チャート)で表すことができたのですから、パイロットの操縦席に座った操縦士(ホワイトカラー)を想像して、居ながらにして情報管理ができる、「リアル情報工場」の誕生という訳です。これが上手くいくコツですね。
「可視経営」で人と組織を育て、経営革新に貢献する

5. 「可視経営」とはどのようなものでしょうか
斎藤
斎藤理事長実践例としては、加藤正彰前理事長が、社長を務められた八千代工業での取り組みが挙げられます。推進組織を作って2010年1月から開発部門を含めた管理・間接要因を対象に全社展開をなさいました。30%以上の工数削減を達成して、HIT法についても様々な活用の仕方を見出されたとのことでした。
例えば情報システム開発におけるユーザー要件の明確化や、人材育成や、社内コミュニケーションの促進などにHIT法を有効に活用されたのです。従来の管理・間接業務の効率化の運動と比較しますと、HIT法の方が一つ一つの作業レベルまで把握するので網羅的で、工数を定量的に把握できるので定量的で、情報処理チャートを創るので論理的であると言えます。
斎藤
また、加藤前理事長は、推進に当たっての留意点を次のように述べられておられます。
1) HIT導入組織長のリーダーシップ:導入に当たっては、部門の一人一人にかなりの負荷が掛かり、抵抗感があるためそれを押し切る強い意志が必要
2) HIT推進機能(組織、グループ)の設置:HITは結構難しいため、一人一人をフォローする機能が必要
3) 優秀なHITの指導者:HITを広めていくためには、優秀な指導者の数が必要
さらに、経営者にとっては、HIT法によって得られた工数削減効果をどのように活かすかが非常に重要です。工数削減を単なる人減らしの手段としてではなく、組織のパフォーマンスを上げるべく、新しい仕事に取り組ませることができるからです。
   
石橋
石橋理事可視経営は前述の通りで、ある程度ご理解が得られたことと思いますが、前理事長のお言葉はこれから革新をしようと考える経営者の方々にとって大変参考になります。
進め方を若干補足しておきます。
1) 会社は自分がいる組織です。従って、組織三者が一様に改善する意識を持たない限り進めにくくなります。従って、トップダウン型で全員が参加して自分の仕事を総点検する、「他人事から自分事」で進めることが大切です。
この考え方は、今まででは考えられなかったことでしょうが短期に成果が上がり、投資対効果が活動期間中に回収可能になります。
2) ホワイトカラーの抵抗感は凄まじいものがあります。これに耳を傾けていたら革新はできません。「俺のいる間は波風立てないでくれ」という経営層がいるくらいですから。
しかし、活動の必要性を痛感している管理職や若い担当者の人たちがこれを救います。「目で見てわかる」この威力です。絵文字チャートを短期に作成して改善案を抵抗感なく出してくれます。これで解決ですね。
3) 企業における人材の育成(実務の訓練=O.J.T)は狭い範囲に留まっています。業務の機能の可視化ができたことで、ホワイトカラーの業務は分解すると90%近くが誰でもできる仕事になります。現状は忙しい時もありますが、暇なときもあります。この暇な時間を活用することで、短期間に訓練が完了して視野が広くスキルの高い人たちが誕生します。この活動に対する納得感と共に仕事に対する自信感が日々の活動に表れます。

6. 「可視経営」による成果と言われる、人材育成についてお聞かせください
斎藤
管理者は、部下一人ひとりに対して指導・育成、動機づけを行わねばなりませんが、部下の能力を向上するための仕事を与えることも管理者の役割の一つです。教育研修によって動機づけされて、猛然と仕事に取り組み、経験を通してその仕事をこなせる能力が身についていくものであるからです。
スキルマトリクスを活用すれば、「誰がどんな仕事ができるのか」また「経験者を育成しなければならないのはどの仕事なのか」といったことが明確になります。また、Sチャートを作成した後に自動で作られる業務管理点マニュアルは、個々の社員の多能化や新人の教育、さらに業務の引継ぎにも活用できます。そして分析ツールによって、業務量の偏りや分担状況も明確になり、最適な人員配置ができるようになります。
   
石橋
多能職育成法の要点を補足します。可視化法の応用によってできる人材育成法は、「多能職」育成です。この方法は、各々の職場間で協力し合って計画的に教え、教わり合って、個々人の視野を広め仕事のスキルと専門性を高める実務の訓練(O.J.T)法によって、職場の壁を越えて応援したり、されたりができる組織力が「最少人数で最強組織をつくる」原動力となる育成ができることです。

7. 「可視経営」による実益のうち、社内のコミュニケーションの活発化についてお聞かせください。
斎藤
コミュニケーションの活発化に重要なのは、「情報の共有化」です。HIT法の活用により、各人の業務分担が明確となり、各人のもつ情報もまたどんどな情報が必要なのかが明らかになります。これにより職場内だけでなく、部署を超えたメンバー同士のコミュ二ケーションが活発になるのです。
   
石橋
質問4で述べましたが、現在の組織で一般的に言える対話の状況は「一方通行語」と言えるでしょう。この活動を通して「共通言語」ができる状態になります。
会話が「これやって!」から「これ見て!」に変わった時、職場が真の対話ができている姿になったと言えるでしょう。これは、多能職育成(O.J.T)の過程で「教え」「教わる」機会があったことで、「社内人脈」に発展した姿と言えましょう。

8. 一般社団法人可視経営協会設立の目的と今後のビジョンをお聞かせください。
斎藤
「可視経営」を推進し、ホワイトカラーの生産性を向上することで、日本企業の体質の強化を図るのが可視経営協会設立の目的です。
そのためには、HIT法を熟知し、使いこなせるリーダーを組織の中に養成しなければなりません。HIT法を活用する可視経営のシステムを普及できる人材を一刻も早く、全国的に養成することも可視経営協会設立の目的の一つでもあります。日本企業の中で、可視経営を推進するリーダーの下で、管理・間接部門のメンバーが、HIT法を活用して、自らの生産性を高めている姿が数多くみられることが可視経営協会のビジョンです。
   
石橋
おっしゃるとおりです。
協会は徹底して普及する体制を整え、まず日本の企業を元気にしたいと思います。次にくるグローバル活動は、言葉が障害と思われがちですが、言葉の壁は絵文字という共通語ができることで解決です。真の会話ができることが革新を生む知恵と工夫を引き出します。
皆様とご一緒に元気なホワイトカラーの活性化活動に進んで参りたいと思います。
プロフィール

斎藤理事長


1969年 慶應義塾大学卒業、国内大手コンサルティング会社入社
1986年 取締役、1995年代表取締役社長就任
同年、全日本能率連盟理事就任
2001年 代表取締役会長就任、米国・韓国・中国におけるコンサルティングの現地法人を設立し、会長を兼務。2010年退任。
同年、株式会社組織開発コンサルティング設立、代表取締役就任。 コンサルティング・調査診断・教育研修などで1000社(非営利組織を含む)以上の実績を持つ。

石橋理事


1962年から24年間、自動車機器メーカーに勤務し、教育担当、人事、総務、工場長、社長室(トヨタ生産方式、業務改善推進担当)の職務を歴任。86年、システム科学を設立、社長に就任。一貫してトヨタ生産方式・IEを基にした業務革新の実践及び支援ツール「HIT」法の開発・導入、コンサルティングを推進、2010年2月に「業務プロセスの可視化法とチャート作成システム」で特許を取得。この間、ダイヤモンド社国際経営研究所で「業務革新の実践者養成講座」を担当、P.F.ドラッカー教授認定講座講師も務める。著書に、『業務革新の実践手法』『実践R.T.M.で企業革新』『HIT経営革新への実践技法』『可視経営』『可視経営で内部統制』『マネジメント力を磨く可視経営』『意識・行動が変わる続・可視経営』『最少人数で最強組織をつくる』がある。