HITツールを使った業務改善について、よくいただく質問が「非ルーチン業務の場合はチャートに表せないのではないか?」といった内容です。
確かに、定型的な業務は手順としても表しやすいですが、決まった形でない業務については表す事が難しい事もあります。
では、ルーチンでないものは本当に可視化できないのでしょうか?非定型業務の書き方について考えてみましょう。

非定型の業務でも、大まかな流れは決まっている

そもそも、非定型業務とは一体どこまで非定型なのでしょうか。非定型とは言ってもまったく形が決まっていない訳ではなく、状況によって細かい部分が変化する事はあっても、大まかな流れはある程度決まっているケースが多いです。
断定して書く事は出来ないとしても、ある程度の流れをチャートとして作成する事は難しくありません。しかし、大まかな部分を書く事は出来るといっても、状況によって変わる部分はどのように表せばよいのでしょうか?

パターン①:条件を使う

HITツールに触れた事のある方にはすでにおなじみの画面とは思いますが、この作業内容編集の画面に条件という欄があるのはご存知でしょうか。

この作業では「告知したい情報がある場合」という条件が記入されています。
つまり、この作業は告知したい情報があるというケースに限り発生する作業です。
この条件欄を使用する事で、処理プロセス最中に見られる「特定の条件下でのみ発生する作業」を表す事が出来ます。

また、この条件つきの作業の頻度のみ変更する事も出来る為、頻度を確認すれば「大体どのくらいこの状況が発生するか」を確認する事も出来ます。

パターン②:管理点を使用する

条件に書くと種類が多すぎる、または細かくなりすぎてしまうという場合には「管理点」を使う事も出来ます。
郵送物を出そうとしたら、封筒を切らしていた……という場合に、倉庫に取りに行くという作業のチャートです。しかし、その時に必要な封筒のサイズや種類は状況に応じて違っています。
条件で書く事も出来ますが、少し作業内容としては細かくなってしまいますね。
こういった状況で活用出来るのが「管理点」です。今回のケースでは、「誰が見ても、どの箱に何が入っているかが分かる保存状態」になっている為、箱の記載情報を参考に必要なものを取ってくるという事が書いてあります。
このように、その時々に応じた細かい処理を管理点に記載しておく事で、状況に応じた細かい作業も表す事が出来ます。

パターン③:4次業務を分けてしまう

状況に応じて大きくプロセスが異なってしまうというケースもあります。例えば、お問合せ対応で、前例がある場合は即回答できるものの、調査が必要な問合せの場合には、その問合せ内容に応じて異なった調査が必要になるという場合です。
短い処理やシンプルなものであれば、一つのチャートの中で条件や管理点を使い表す事が出来ます。しかし、複雑な処理になってくると、一つのチャートに纏めると却って分かりづらいものになってしまうというケースもあります。
その際には、条件に応じて4次業務を分けてしまうという書き方も出来ます。

 

非定型の業務も可視化できる!

いかがでしたか。今回は、非定型の業務を可視化する際のコツについてご紹介しました。
チャートの書き方にもルールはありますが、状況に応じて書き方を変えたりする事もあります。Sチャートにおいて最も重要な事は「分かりやすいものである事」です。
マニュアルを作る時と同様に、「これさえ見れば、誰でも業務を進められる」ようにチャートを作っていくと、自然と抜け漏れのない分かりやすいチャートになります。
非定型業務が出てきた場合には、是非上記の要素を使いながらチャート化してみましょう。