HIT活動を始めた方が、まず一番最初に直面するのが「チャートをどう書いたらいいのかが分からない」という壁です。普段意識していない作業手順、画面を見ながら説明する事は出来ても、チャートにしようと思うとどの程度細かく書いたらいいのかが分からなくなってしまうのです。
今回は、チャートを作成する際のコツをご紹介します。
意識する事は「初めての人でも分かるように」
HIT活動で作成するSチャートですが、これは改善活動のみではなく最終的にはOJTなどにも活用できる教育用の電子マニュアルとしても活用できるようにしていきます。
その為、Sチャートを作成していく際に意識する事は、「新入社員であっても、このSチャートを見れば同じように業務を遂行できるレベルで書く事」です。
システムの画面操作や、印刷の部数、メールの送り先や受信元なども抜かずにきっちり書いていく必要があります。
その為には、以下の基準に注意してみましょう。
①一つの作業にかかる時間が「30分以内」になっているか
「30分」は、1つの作業記号に対してかけている時間の目安です。
Sチャートを作成する際に、最初の頃は「作成」で「50分」など大きなくくりで書いてしまう事がよくあります。
ですが実際には、作成した後に誤字の確認をしていたり、あるいは作成前に雛形をコピーして名前を変更していたりといった、細かい作業が潜んでいる事が多くあります。
1つの作業記号で、時間が30分以上になっている場合、本来違う作業記号で書ける作業が統合されてしまっている可能性が高いので、違う記号で表記出来る作業がないかを確認してみましょう。
②作業内容が長文になっていないか
「○○して、○○する」というように、作業内容を文章で書いてしまう方も多くいらっしゃいます。
この例も、先ほどのように「作業記号を分割出来るもの」になります。
これも先ほどと同様に、作業記号を分けて作成します。もし、作業内容が文章になってしまった場合は、記号の分割を検討してみましょう。
③画面操作、印刷などの作業が抜けずに書かれているか
システムの操作などの作業は、チャートに書くまでもないのでは……と考えてしまいがちですが、実はこういった操作もチャートに作業として書いていく必要があります。
新入社員をはじめ、入社したばかりの方は、システムの操作を知らない可能性があります。その状態であっても、作業を行えるようにしていくには、画面操作もチャートにしっかり残しておく必要があります。また、印刷などの作業も抜けやすいものの一つです。チャート作成後に、改めてチャートを見直してみて、実際の処理手順と同じ内容になっているかどうかを確認するようにしましょう。
精度を意識しつつ、数を作っていく事を大切に
チャートを作成する際のイメージはなんとなくつかめたでしょうか。
Sチャートの目的を覚えておくと、チャートを作成する際のガイドになりますので、まずは「知らない人にも伝わるチャートになっているか」を意識しつつ書いてみましょう。
また、書き始めのうちは、チャートの細かさや記号の使い分けなどで迷ってしまい、なかなかチャートを書く事が出来なくなってしまうかもしれません。
しかし、正しいチャートを書くよりも、「まずはたくさん書いてみる」事も活動をし始めた段階では非常に重要な要素です。記号の正誤はもちろん大切ですが、これはスキルアップ研修やチャート作成の経験を積む事で段々と感覚がつかめるようになっていきます。まずは完璧なチャートを作る事に拘り過ぎず、チャートの作成経験を積んでいく事を優先していきましょう。
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