いざ改善、と気合を入れて取り組んだはいいものの、何故か成果も上がらず社内のモチベーションもいまひとつ。色々手法を試してはみたけれど、いまひとつピンと来ない。結局大した効果も上がらないままになってしまった……という経験がおありの方も多いのではないでしょうか。実は改善が進まないのは3つの原因があるからです。今回は、改善が進まない原因について考えてみましょう。
あなたの会社の「習慣」。自覚していますか?
日々繰り返している会社の業務。内心、「これは必要ないのでは……」と思っている業務はありませんか?「本当にこの書類は要るんだろうか?」と思っていても、「やめて問題が起こったら困るから」とついついそのまま続けてしまいがち。
本当に必要かどうか分からないけれど続けてしまう。これは会社の「習慣」になってしまっているという事です。
昔からずっと行っている業務だから、やめてしまったら問題があるのでは……と考えがちですが、実はこの「昔から行っている業務」には改善が潜んでいる事が多いのです。
長く続けている業務は、その業務が発生した当時の目的を知っている人が退職や異動で居なくなってしまっている事が多く、本当はもう必要なくなっている業務にも関わらず、判断できる人が誰も居ない為に形だけが残ってしまうのです。
本当に必要なのか分からない業務は、一度思い切ってやめてみましょう。もし、やめた後に「やっぱり無いと困る」と分かった場合には、また再開すればよいのです。
予算に人手に……「制約条件」にご注意
改善を思いついても、「システム導入にはお金がかかる」「他部署に応援を求めるのは難しい」と色々な出来ない理由を考えてしまっていませんか?実はこれは頭の良い人ほど陥ってしまいがちな状態です。改善を実施する為に、様々なリスクや障害についても考えてしまい、結局「出来ないのでは……」と諦めてしまうのです。
この「出来ない理由」を「制約条件」と言います。改善を考えるにあたっては、「○○だからできない」という理由は考えず、まずは理想の状態を考えるようにしてください。
もちろんそれぞれの会社によって「出来ない理由」というのは出てきてしまいます。そのため、理想の状態から引き算をするようにして「すぐに出来る状態」まで落としていきます。
最初から限られた条件で改善を考えるのと、発想の制限なく改善を考え、後から実施可能なレベルまで落としていくのでは、思いつく改善の質も数も全く異なります。
自由な発想が出来る事で、よりよい改善を思いつくようになるのです。
どうしても難しい「感情」の問題
やはり改善活動でも大きな妨げになってしまうのは「感情」です。自分が今まで行ってきた業務にムダがある、と言われて気分の良い人は居ないでしょう。
正論であると分かっていても、すんなりと受け入れられないのは仕方のない事です。
この感情の問題を乗り越えるには、「自分の業務を自分で改善してみる」事が必要です。
改善を考える対象が自分の業務なので、感情的な反発が生じにくく、また改善の効果を自分自身が体感する事ができます。「誰かに改善してもらう」のではなく、「自分で自分の業務を改善する」事がモチベーションアップにもつながっていくのです。
3つの妨げに注意して、迅速な改善活動を!
今回ご紹介した、改善の妨げ3つ。これはどんな企業であっても発生してしまうものです。今回はその対処法についてもご紹介しました。「改善活動が進まないな」と思った際にはこの3つの妨げのうち、どれが発生しているのかを考えてみましょう。会社の内部を把握する事も、改善活動の第一歩です。