先日、RPA導入前の事前準備として、RPA導入には何が必要?|ムダ取り・可視化を忘れずにをご紹介しました。即座にRPAを適用した際のデメリットと事前に整理しておくべき事項を的確に述べています。
本記事では、「ムダ取り改善」を「RoboRoid-HIT.s」で解決する方法をお伝えするとともに、RPAの適用効果をさらに高めるコツについてご紹介します。

RPAを適用する前に…CanBeモデルの重要性に気づく

「RoboRoid-HIT.s」では、AsIs(現状の作業手順)およびToBe(RPA適用時の作業手順)のチャート作成を中心にご紹介しています。
↓「RoboRoid-HIT.s」のサービス内容については、下記リンクからご覧ください↓
RoboRoid-HIT.sでできること

上記リンクでは、あまり言及されていない、AsIsとToBeの中間点である“CanBe”について補足します。
“CanBe”とは、現実的な制約条件(人、コスト、納期、時間等のリソース)をふまえた上で、構築する業務モデルのことです。最初からToBe(RPAの適用)を実現しようとすると、導入・運用コストがかかるだけでなく、不要な作業をロボットに覚えさせる時間的なロスも発生します。そのため、AsIsからCanBeに至るまでの過程で、業務・作業にムダがない状態でToBeを考案することが重要になります。

しかし、ToBeの構築前にムダがない状態でCanBeを構築するまでが、最もパワーのかかる作業です。そこで、「RoboRoid-HIT.s」を活用して、CanBeモデルをラクに作成する方法とRPAの適用効果を高めるコツについてお伝えします。

 RoboRoid-HIT.sで効果的にRPAを適用するコツ

「RoboRoid-HIT.s」においてRPAの適用効果を高めるには、”AsIs”でムダに気づき、“CanBe”で改善後のチャートを作成することです。ここで「議事録作成」のストレートチャート(AsIs)を元に“ムダ取り改善”のポイントをご説明します。

上図の吹き出し①~③に着目してください。
①では、手帳(紙媒体)から議事録.xlsx(Excel,電子媒体)へ書き写す作業を示す“転記”記号が使用されています。この場合、最初から議事録.xlsxに入力することで転記がなくなるので、ムダ取り改善が可能です。

②では、手帳と議事録.xlsxの入力内容に間違いがないか照合する“検査”記号が使用されています。この場合、①で転記をやめることで照合する作業も不要になるので、ムダ取り改善が可能です。

③では、議事録.xlsxを紙で印刷する作業が発生しています。(印刷物された議事録を紙媒体の記号で表記しています。)この場合、印刷物を配付するより、議事録.xlsxを各部へメール送信する方がコストを削減できるだけでなく、印刷待ちの時間と配付する時間も削減できるので、ムダ取り改善が可能です。

上記は一例ですが、ストレートチャートが示す「記号」に着目しムダ取りを行うことで、最適な状態でToBeの作成=RPAの適用が可能になります。

以上、RPAの適用前にムダ取り改善を行う重要性について、ご理解いただけたかと思います。
必要な業務・作業のみをロボットに覚えさせるということは、ロボット作成時の作業時間を短縮できるということにもつながります。
実際に現状業務のムダ取り改善を行うと、作業時間のロスとロス削減による節減効果が目で見て分かる形で実感できます。
その後で、ムダ取り改善した業務に対してRPAを適用すると、より多くの作業時間が節減できるだけでなく、人とロボットの作業が一目で分かるため運用管理もラクになります。

チャートと改善を積み上げた後は、関連業務における前後工程のストレートチャートを連結して、大きな視点でムダ取り改善を行っていきます。ムダ取り改善を繰り返すことで、理想的なBPRの構築が可能です。

おわりに

以上、「RoboRoid-HIT.s」で効果的にRPAを適用する方法について、ご紹介させていただきました。
ポイントは、業務のプロセスをチャート化してすぐにRPAを適用するのではなく、業務に潜むムダな作業を削減してからRPAを適用することです。

最後に、重要なことをお伝えして締めくくりたいと思います。
RPAは人の仕事を奪うのではなく、人と協働して初めて真価を発揮するものです。そのためRPAを導入して終わりではなく、その後も人の手によるサポートが必要となります。
この記事を読まれた皆さんが、人とロボットの共存による新しい働き方を選ぶきっかけとなれば幸いです。