探しても探しても見つからない改善提案。苦労して見つけても効果が低く、がっくりと肩を落としてしまう。改善活動において、最も効果的な改善提案は「業務の廃止」。しかし、この廃止できる業務、ありそうで意外と見つからない。実はコツさえ掴めば改善探しはとっても簡単!今回は、廃止できる業務の探し方について考えてみましょう。
廃止できる業務を探すには「○○」に注目!
改善提案を探す際に、「日頃の作業手順から」改善を探していませんか。
例えば、ここで印刷をしているから印刷をやめよう、転記をしているから転記をやめよう……といった具合です。
もちろん、こういったムダな手順を探していく事も大事なのですが、作業ばかりに着目していると廃止できる業務は見つかりません。
廃止できる業務を探す際には、まず「作成(処理)しているモノ」に着目します。
プロセスのみ重視だと、せっかくの改善がムダになってしまう?
では、なぜ「モノ」が重要なのでしょうか。
そもそも、業務の目的は「モノ」を作る事です。業種によっては、この「モノ」が、車の部品であったり、食品であったり、薬品であったり、衣類であったりします。
ホワイトカラーの業務で作っている「モノ」は、書類や情報などが当てはまります。
部品を作っている工場を例に考えてみましょう。
この工場では日々多くの作業をこなさなければならず、従業員の負担も大きい状況です。
しかし、この工場で生産しているもののうち、「Aのねじ」はほとんどが在庫品になってしまっています。
この工場をどう改善すればよいでしょうか。
この工場の例であれば、「Aのねじ」の生産ラインを効率的にするよりも、「Aのねじ」の生産をやめてしまう方が効果的です。
では、同じように、ホワイトカラーの業務を考えてみましょう。
「資料A」を作っているが、「資料A」は大して使われておらず、なくても支障がない状態です。
この場合も、やはり「資料Aの作成を効率化する」のではなく、「資料Aの作成を廃止する」方が効果は高くなります。
この「資料A」の作成を効率化しようと改善に努めても、後々廃止になってしまっては、その改善を考えた時間も水の泡になってしまいます。
そういった事を防ぐためにも、「モノ」に注目する事が重要なのです。
廃止できる「モノ」の基準とは?
廃止できる「モノ」の探し方は、簡単です。
「ほとんど使っていないもの」
「無くなっても業務に支障がないもの」
「何の為に作っているかが分からないもの」
この3つのポイントに注目してみてください。
そうは言われても、「無くなったら問題がありそうで、廃止するのが怖い」と思ってしまいがちですが、「昔から続けられていた業務ほど、ムダな業務になってしまっている可能性が高い」のです。
それは、業務が発生した当初の「目的」を知っている方が不在になってしまっている事が多い事が原因です。目的や経緯を知る人がいない為、何のために作っているのかが分からず、形骸化した業務だけが引き継がれているという状態になってしまうのです。
こういった業務は、まず「廃止してみる」を試しましょう。もし、廃止して支障があるのであれば、作成を再開すればよいのです。
業務改善は「モノ」に着目!
何だか難しい……と思ってしまいがちな改善提案ですが、コツさえ掴めば、改善探しはとっても簡単。
日頃の業務の中に「大して使っていないモノ」の作成があったら廃止を提案してみましょう。