抵抗勢力が多くてなかなか進まない改善
働き方改革を実現するための改善活動が各社で行われていますが、抵抗勢力が多くてなかなか進まないという声をよく聞きます。どちらかというと改革勢力の方が少数で、活動のスタート時には8割が抵抗勢力であるというのが実情ではないでしょうか。
人はなぜ改革に抵抗するのでしょうか?
それは変わることに対して危険だという心理が働くからで、こうした心理を「改善を妨げる習慣」と言います。一つのやり方に慣れるとそれが固定化されてしまい、他の方法を試さなくなります。大過なくという言葉がありますが、「言われたことを言われた通りに」やっていればミスが起こっても自分の責任にはなりません。もっと良い方法に気づいても、言われた以外の方法に変えてミスが起これば自分が責任をとらなければならないので、リスクを負ってまで新しいことをしたくないということになります。
改善を妨げる習慣が多い状況は改善の宝庫
このような改善を妨げる習慣があるために、会社の中には十年以上も変わっていない非効率な仕事がたくさん存在しています。見方を変えれば、この状況は改善の宝庫とも言えます。習慣的に昔から行っている業務の中には今や当時の目的が無くなっているものも多く、そのような業務は止めても問題ないのですが未だに存在しているのは、今まで勇気を持って止めるという判断ができなかったというだけの理由です。
止めても問題が無いという判断をするために
止めても問題が無いという判断をするためには、その業務で作られた成果物が活用されているかを検証することが有効です。活用というのは成果物の情報により何らかの行動が行われるということで、読んで終わりというのは活用されたことになりません。中には読まれてもいない成果物も存在します。改善を妨げる習慣が多数存在すればするほど、改善する項目が多いということです。そんな現状を逆手にとって改善を進めてみるのも一つの手かも知れません。