会社が改善活動を開始してから、何かと改善アイデアや時短を求められて辟易してしまっているという方は珍しくないのでは。改善提案が思いつかず途方に暮れてしまっている方も多いと思いますが、実は改善探しはさほど難しい話ではありません。たった1つのポイントが分かれば誰でも簡単に改善を思いつく事が出来ます。今回は改善を考えるコツをお教えします。
面倒くさい事をやめるだけで改善になる
毎日の業務の中で、面倒くさいな~と感じている作業はありませんか?これが改善提案の元。面倒くさい事を面倒くさくない状態にするだけで改善になります。どんなに些細な事でもいいから、業務の面倒ごとや嫌な事を挙げてみてといわれると大分発想がしやすくなるのではではないでしょうか。この時、仕事だからこのくらいは仕方ない、という先入観に要注意。一度捨てて考えてみましょう。例えば、印刷が面倒。いらないメールがたくさん来る。PCがすぐ固まる。前工程のミスが多くトラブルが頻発する等、改めて考えてみると色々な面倒ごとが見つかるのではないでしょうか。
では、これらの面倒ごとはどうすれば面倒でなくなるでしょう?新しいシステムを導入すればトラブルが減るかもしれません。PCを買い替えれば処理が軽くなるかもしれません。不要なメールを減らす。印刷を辞める。どんな案でも構いません。ここでは一旦コストは考えずに、出来る理想の状態を思い描いてみる事が肝心です。一見するとこのプロセスは回り道に感じられるかもしれません。最初から実現可能な状態を考える方が効率が良いのでは?と思われるかもしれませんが、実はこのプロセスが重要なのです。
人は慣れる生き物。毎日の仕事も、こういうものだと思ってしまうとなかなか改善が思いつきにくいのです。実際、これはやめられない、と思い込んでいた作業や条件が実はやめられるものだったという事は珍しくありません。本当は廃止出来る業務だったのに、わざわざプロセス改善をしてしまっていたら……この改善にかけたコストはムダになってしまいます。そういった事態を防ぐ為に一度フラットな目線で業務を見直してみる事が大事なのです。理想を思い描く事は、思い込みや先入観を無くすための重要なプロセスです。
とはいえ、実現できない改善提案は絵にかいた餅。ここからは理想の状態から実現可能な状態に落とし込んでいく作業に入っていきます。
どうすれば実現できるかを詰める
どうすれば実現できるかを考える為に、まず実現する為に必要な要素を洗い出してみましょう。
新規システムの導入が必要だったり、機材の新規購入が必要だったり、部署間の調整が必要だったり、あるいはGOサインさえもらえれば何も必要なかったり。必要なものは改善によりまちまちです。
何も必要ない改善は承認をもらって、すぐに進めます。この際、効果が小さいとしても無視せずしっかり改善しましょう。なぜ小さな改善が必要なのかは下記の記事にまとめてありますので、ご興味がおありの方はぜひお読みください。
一方、事前準備や投資が必要な改善の場合すぐには理想のプロセスを実現できない事もあります。そういった場合にはAsIs、Canbe、Tobeという3つのプロセスで改善を考えていきます。
現状の業務手順をAsIsとして、理想の形をToBeと呼びます。この2つの間の隔たりを整理していきます。新しいシステムを導入するコストを確保できない、社外にシステム導入の依頼が出来ない、他部署との連携が難しいなど、実現を阻む要素を一つずつ書き出していきましょう。それらの障壁を踏まえたうえで現状実現出来る暫定案のCanBeを考えます。
時間軸で考える上で重要なのは、ToBeがあくまでも理想の姿であり、目標である事を忘れない事です。現状維持は最も効率が悪いので、暫定的な改善をしたうえで最終的にはToBeを実現できるように努力していく事が重要です。
これは面倒だな、という感情が改善を後押しする
今回は、改善探しを進めるコツについてお話しました。改善活動は、数字を上げるだけでなく、こうだったらいいなを実現する活動です。だからこそ、毎日の業務の中での面倒事をしっかり見直していく事が重要なのです。
言われてみたらこれ、面倒だったかも……という物が見つかるかもしれないオススメ記事はこちら。ぜひご自身の業務の改善を考えてみてください。