厚生労働省の調査によると、平成28年度の日本の平均有給消化率は49.4%と低い数値。「有給消化を促してもなかなか申請が来ない」「有給申請をしたくても、仕事の都合があって難しい」こんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。その原因は何なのか、どうすれば有給を取りやすくなるのかについて今回はご紹介します。

日本人の平均有給使用日数は9日

ここ最近、働き方改革や長時間労働への対策が求められるようになった事で、有給取得率の向上についても様々な取り組みが実施されています。
厚生労働省は、「過労死等の防止のための対策に関する大網」で、平成32年までに年次有給休暇の取得率を70%以上にする事を目標としています。
平成28年度の有給消化率は49.4%。昨年度の48.7%からは微増といった結果になりました。年度ごとに増減はあるものの、全体的な傾向として年次有給休暇の取得率は増加の傾向にあります。

出典:平成29年版過労死等防止対策白書
厚生労働省

とはいえ、未だ50%にも届かない有休消化率。なぜ有給はとりにくいのでしょうか?

有給申請をしづらい理由は仕事の穴埋め?

休み方への改革が提唱されているにも関わらず、なぜ有給休暇の取得率は上がらないのでしょうか。エクスペディア・ジャパンが2017年に実施した、有給休暇の国際比較調査において「日本人が休みを取らない理由」として以下の結果を出しています。

1位は緊急時の為、といった結果になっていますが、2位3位は人手と職場環境の問題という事が分かります。 また、同社の調査では、日本人は有休の取得について「罪悪感を感じる」と回答した割合が63%と非常に高く、有給休暇を取りにくい雰囲気があるという事がうかがえます。
自分が休む事で仕事に穴をあけてしまう事を気にして、有給休暇を取得できない人が多く、結果的にそれが有給休暇を取りづらい雰囲気へと繋がってしまっているのです。

仕事に穴があくのは「人に仕事がついている」から

仕事を休めば、その分仕事が止まってしまうのは当たり前、と思ってしまいがちですが、実はこれは当たり前ではありません。
有給休暇の取得率が上がらない最大の原因は、「仕事が人についてしまっている」事にあるのです。

「仕事が人につく」とは?

●担当者が休んだ事で仕事が止まった
このような経験がある方も多いのではないでしょうか?実はこれこそが「仕事が人についている」状態です。どういった手順で、何を処理しているかが本人にしか分からない為に、穴埋めをするという事が出来ないのです。
これでは、休みづらさを感じてしまうのも当然です。逆に、仕事が誰にでもわかる状態になっていれば、誰が休んだとしても業務がストップする事もなくなり、気兼ねなく休みを取る事が出来るようになります。

人に仕事をつけるのをやめ、仕事に人をつける

「仕事に人がついている」為に、業務の流れを把握する事が出来ず、有給休暇の取得率も上がらない……。この状況を打破するには、「業務の可視化」が必要になります。

誰が、何を、どのくらいの時間で、どのような手順で行っているかが分からない。ホワイトカラーの業務は、それぞれがパソコンに向かい黙々と作業するものである為、製造の現場よりも工程が分かりにくいという特徴があります。
その為、担当者が休んでしまうと業務をどう進めればいいのかが分からなくなってしまうのです。

製造工程を表すフローチャートのように、ホワイトカラーの業務の流れをチャートで可視化すると、だれが見ても業務の手順が分かるようになります。
社内の業務が誰にでもわかるようになれば、誰かが休んだとしても仕事はスムーズに進める事ができ、影響を受ける事はありません。
この安心感が休みを取る事に対する不安を軽減させ、結果的に有給を取りやすい雰囲気へ社内の環境も変化していきます。
業務を可視化し、仕事に人をつける。働き方改革の第一歩として、可視化は重要な役割を担っています。

今回参考にさせていただいたWEBサイト

エクスペディア
【世界30ヶ国 有給休暇・国際比較調査2017】日本の有休消化率、2年連続 世界最下位

厚生労働省
平成29年版過労死等防止対策白書(本文)