HIT活動では、活動の最初は自分自身の業務の可視化から行っていきます。自分の業務の把握・分析・改善を通しながら、革新活動のための基盤を整えていきます。
自分の業務手順は自分自身で可視化をしていくわけですが、うまく可視化できていないために改善ができないケースがあります。
今回はその一例をご紹介いたします。
ちょっと恥ずかしいメモからの転記はなかったことに…
自分の業務は自分が一番わかっています。その業務を可視化するという事は誰にでも見えるような形にすることです。…となると、少し恥ずかしくて書けないようなやり方を隠してしまうことがあります。
HITの基本活動は、自分の作業にあるそういった、”恥ずかしいこと”や”面倒と思っていること”に着眼していきます。
隠してしまうと…改善できるずのものが改善提案として作成できませんので、改善目標に対して遅れてしまったり、また見えないようにしてしまったことで、そのまま見えないようにやり続けるという悪習慣になりがちです。
また、いざシステム構築などの大きな改善を検討したときに、業務状況が正しく見えていないため、再度可視化した業務を見直していくといった手間が発生してしまいます。HIT活動はそんな恥ずかしい作業を改善するチャンスです。
HIT活動を推進する合言葉に「過去は問わない」というものがあります。
改善を推進しようとしているときに、「なんでこんなやり方をしていたんだ…」と言われてしまったら、改善を考えていく事が止まってしまいます。
「人に見せるのが恥ずかしい作業」、「前から思っていたけどもなんでこんなやり方をしているんだろうと思った作業」そういった、業務担当者だからこそ知っている想いを改善するチャンスです。
普段は脚光を浴びないような些細な改善が主役になれるチャンス。逃さずしっかり可視化し、改善提案として実施していきましょう。
移動・探すといった実作業に関わらない作業の見落とし
改善をする上で、見落とし率No.1が、移動・探すといった作業です。
何か仕事を始めようと思った時に、データがなくて探したり、遠くのキャビネットから資料を取り出したりといった作業はありませんか?
何かするために探す・移動するといった、実作業に関わらない作業を付加価値を生まないムダと呼んでいます。
改善できるのに、見落としてしまっている作業がないかもう一度考えてみましょう。
*以前、似たようなメールを送ったことがあるので、メールの中から類似案件のメールを探すのに時間がかかる。
*サーバーの階層が深すぎてファイルを探すのに時間がかかる。
*毎日見なくてはいけない管理台帳だが、自席にないので取りに行っている。 などなど。
よく送るメールはテンプレートとして保存しておくとか、デスクトップにショートカットを作成するとかちょっとした工夫で改善できそうですよね。
複数の資料からの転記をまとめて記入
こちらは、チャートが粗すぎて改善できないケースです。
Sチャートでは、複数のドキュメントに対して同時に作業を行っている場合には、記号が横並びに並べて表現していきます。
皆様は、何個の資料まで横に並べて作業ができますか?
例えば、何枚の書類に対して一度にチェック・捺印できますか?
人が同時にできる作業には限界があります。実際に複数の資料を複合した資料を作成する場合も、メモ帳などに必要な情報を取りまとめてから作成したりしていませんか?
いかがでしょうか?”ありのままの姿”を書くということを改めて考えていただければと思います。
他の人には真似できないあなただからできる可視化を実施し、改善へとつなげていきましょう。